空と彼と私

一歩踏み出すごとに足元からは、砂利を踏み付ける音がする。


音に耳を澄ましながら、無表情の彼の横に立った時、彼は、視線を頭上に向けた。


そんな彼を目で追った後、私も、彼と同様に頭上に目を向けた。


いつもは見上げても、数えられる程度にしか見えない星が、今、目の前に、広がっている。


遥か昔、理科の時間に教科書で見たような数々の星が見える。


「凄く……きれい」


驚嘆し、虫が囁く程度の声が思わず洩れた。


私の呟きに目もくれず、彼は、一本、煙草を出しくわえた。


カチッ、カチッとライターの音がするが、その度に、風に煽られて、一瞬にして、火が消える。


私は、盾になるように、彼の後ろを回り、反対側の隣に移動した。