空と彼と私

静かな中、図書室の開く音がした。


死角になっているとはいえ、緊張して、厭な汗が背中を伝う。


寝たフリを決め込み、机に顔を臥せているので、男か女かも、生徒か先生かもわからない。


そんな時に、また、図書室の扉を開けるノブを回している音が聞こえた。


しっかりとカツカツと歩く音が今度は聞こえる。


そして、声が聞こえた。


「なんだよ、こんなとこに呼び出して」


背中が、ゾクゾクと震えるくらい低く掠れた声。


え?どうして……。


征司の声に、心臓がドクンと大きくはねた。


「ゴメン、征司。でも誰かに見られたらマズイと思って」


「で?」


「うん。今夜、付き合って欲しいの」


「無理」


「どうしても?」