空と彼と私

それから、誰にも言ってないが、ヤバい仕事をしていること。


ヤバい仕事の内容は、教えてくれなかったが、命懸けだったりする時もあるらしい。


それを平然といい、心配した私に、

「俺が死んだところで泣きはしても、マジで悲しむ奴なんて誰もいやしねェよ」

と、渇いた笑いを漏らした。


なぜかその顔が切なくて、泣いてもいないのに、征司が泣いているかのように見えた。


だから、私は、向き合っていた征司の背中にまわり、その広い背中を後ろからギュウッと抱きしめた。


近づいてごめんね。


そう心の中で呟く。


やけに速い心臓の音が征司に伝わってしまったかもしれない。


それでも、まわした手を解くことはしなかった。


征司の手が、遠慮がちに、私の手に重なったのはそれからすぐのこと。