空と彼と私

少し大きな木に体を預ける征司に近寄ると、隣りに腰をおろした。


「何であそこに行った?」


「…………」


「言わないならそれでもいい。だが、二度と行くな。あそこは、ヤバい薬の売買が横行してる」


「……あっ……えっ?」


明らかに動揺を隠しきれない私を見て、眉間にシワを刻む。


「どうした?何か知ってるのか?」


まさか、この中身は最近流行している危険ドラッグ!?


恐くなって、紙袋をギュウッと胸に抱きしめた。


そんな不自然な私の行動に、何かを確信したらしい征司の手が伸びてきた時、スマホが音をたてた。


「ででで…てもいい?」


頷いた征司を確認し、ドキドキしながら液晶をタップする。


「はい」


『麻衣、お前どこだ?クレーム来てんだよ。あと、どれくらいかかる?』


シンの焦った声が、近くにいた征司にも聞こえたらしく、恐ろしい顔に変わった。