空と彼と私

あまりに強い力に、体ごと反転させられると、引っ張っている人の後ろ姿が見える。


ただこの暗い中では、それが男性としかわからない。


もし、シンに聞かされていた類いの人だったら……。


もし、シンに嵌められていてヤバい人だったら……。


煩く鳴り出した心臓の音。緊張と恐怖から、足がうまく動かない。


足が縺れ倒れそうになった時、その男の人が振り返った。


その瞬間、自分でも、ハッと息を呑んだのがわかった。


「……な…んで?」


足を止めた後、そのまま私に近づいて来る彼。


唇に人差し指をあて、話すことを拒む彼の右手。


繋がったままの左手は、ギュッと私の手を一度強く握る。


それに頷くと彼はまた前を向き歩き出した。


Clubの外に出ると、手が放され、キッと強い目で睨まれた。