空と彼と私

「わ、わ、わ、わかってるよ」


厭味なくらいに、その形のいい唇をキュッとあげ、どす黒い微笑みで、

「なら、せいぜい頑張れよ。失敗したら、お前の望み通り、男にヤらせるからな」

と。


ヤりたいなんて言ってないじゃない!


こんなの脅迫じゃない!


チキンな私は、声にすることが出来ない。


何度、心の中で、叫んだことか。


言われるままに、奥の部屋に用意してあった私服に着替え、制服は、さっき見たのと同じ紙袋に突っ込んだ。


それにしても、この私服。


誰のものかしらないが、よれよれの首が伸びたロンTに、パーカー。


それから、デニムのショーパン。


服の着替えは、それはそれでいい。


この上に、隣りに置いてある地味なおばちゃんコートを着ればいいのだから。