空と彼と私

店員の言うことは、わかったと思う。


敬遠される人達をごまかさなければならないというこの頼まれもの。


女の子が好きな癒し系のクマなんかプリントしてある紙袋なんだけど、中身は、それとおそらく正反対と思われる危険なものだろう。


此処に来るまでの間、どうして逃げ出さなかったんだろう。


紙袋を受け取った手が、恐怖と緊張から震えているのが自分でもわかった。


「おいおい、大丈夫か、こいつ」


シンに向き直る店員の冷めた声に、身震いする。


「あ?」


興味がなかったらしいシンは、私を見るとチッと舌打ちをして立ち上がった。


「麻衣、わかってんだろうな。ヘマしたら、どうなるのか」


肩にのしかかる腕。シンに、付き合っていた頃、嫌という程植え付けられた主従関係。