空と彼と私

あ……違う。
つい、痛みで怒鳴ってしまったけど、シンには、こういう言い方は、ダメだった。


「は?お前、何様?」


シンの眉間の皺が増えた。


殴られる!!


里緒には、言ってなかったが、シンは、時々、気に入らないと暴力を振るう。


毎回じゃなく、時々だから厄介で、不意打ちみたいな状況になる。


今、まさに、それが、目の前で起きるけど、ゴメンね。


里緒に視線を向け、きつく力を入れ、来るべき痛みに備えた。


シンが拳を振り上げた時、

「シンくーん」

廊下の窓から、甘い声で呼ぶ女の子。


チッと舌打ちしながらも、教室に入ってきたその女の子が、シンの耳元で何か言い、腕を絡めて、引っ張っていった。


呆気にとられ、里緒と二人、ポカンと見送った。