空と彼と私

「ありがとう」


征司に近づきすぎて、距離感が掴めないまま、袋を胸の前でギュッと抱きしめた。


「アイツら、もう手出ししねェよ。安心して学校来い!」


「え?な……んかしたの?」


「麻衣。知らなくていいことを知ると、ろくなことねェ」


茜色に染まる空を見ながら、征司は、そう言った。


征司のその目は、さっきの女の子達を思ってじゃない。


何を言っているのだろうか?


それを取り除いてあげることは出来ないのだろうか?


今はまだ、踏み込めない領域をいつかは、侵してみたい。


「この時間のこの曜日はここにいる」

「……うん」

「何かあったら、また麻衣に、この場所貸してやるよ」

「……うん。ありがとう」


征司がチラッと私を見る目は、もういつも通りに戻っていた。