空と彼と私

クルリと踵を返した時だった。


「誰だ?ここは立入禁止近づくんじゃねェ」


頭の先からつま先まで汚れている女の子を目の前にして、酷い。


どうした?と聞いて欲しいわけじゃない。


慰めて欲しいわけじゃない。


ただ、この場所を少しくらい提供してくれてもよくない?端の方でいいから。


ヤンキーの溜まり場を貸してなんて思うのも、端から見ればおかしな話ではあるけれど。


目の前の男は、冷めた目つきで、私を見下ろしていた。


「早く出て行け。あの人が来る」


親切心で言ってくれているようだが、そうは見えないのは、顔のつくりとその目つきのせいだ。


腕をぐいっと引かれ、もと来た道に押し出された。


「何してる?」


突如聞こえてきた声に、私もその名前も知らない男も同時に動きを止め、肩をびくつかせた。