あの日、征司がいなくなって残されたパソコンは、今も私の部屋の中央に置かれている。


あれ以来、私は、一度も征司に会っていない。


それが征司の望みじゃないかと思ったから。


ただ一つ変わったのは、バイクに乗って、あの場所に時々、行っている。


二人で見た星空を、パソコンの中でなく、この目で。


振られた時……?


そんな約束だったけど、


私は、征司に振られたから、


私が征司に恋をしている間は継続して振られていると解釈して、


あの小高い丘の上から見続けている。


空は、私と彼を、


いつでも繋いでくれるから――…



【完結】