空と彼と私

「あらかたの話はついた」


そう言っていたから。


あとは、相槌をうったり、返事をしたりしていたようだけど、私は、征司のことで頭がいっぱいだった。


征司には、もう会えないのだろうか?


情状酌量は無いのだろうか?


「麻衣」


突然聞こえた声に、思考が断たれると、頭をあげた。


「さっきから何度も呼んでいたのに」


ため息までついて、面倒臭そうに踏ん反り返る男。


龍さんのもう一人の側近、省吾さん。


「あの、何か?」


「真壁のパソコンです。ハッカーだけあって、後始末はちゃんとしてあるようですね」


机上に乗せられた征司のパソコンを指先で触れた。


「真壁からのプレゼントですよ」


「え?」


「これだけは警察に渡せないと、違うパソコンを用意してましたから」