空と彼と私

どうしたって無理。気になる。


そんな私を知ってか知らずか、


「気にするところは、そこじゃない」


「え?」


意味深に口角があげられた。


「若に何て言われて、バイトした?」


「……え?」


「思い出してみろよ、おかしいだろ?」


「確か、屋敷の正確な見取り図と、製薬会社との―――あっ!」


そっか。


「最初からわかってたのに、私をバイトに潜入させたってことですか?」


「おっ!正解。そういうこと」


そういうこと?


首を傾げて考えていると、


「あ、言わなきゃ気づかないか。つまり、真壁から視線をそらす為のおとり」


「おとり。そう最初に言ってくれてもよかったのに」


心で愚痴るつもりが、口から出てしまった。


ヤバっ。


亮さんの顔が怖くて見れない。