空と彼と私

「キャットに売られてたにきまってんだろ」


冷たい言葉だからじゃない。


その得体のしれないキャット。


キャットに売られたあとを想像して、冷や汗が流れ落ちた。


「薬のルートを潰したい神龍会と、お前をまもりたい真壁と利害が一致したまでのこと」


「……征司」


思いもしなかった事実に、自然と大好きな彼の名前が口からこぼれ落ちた。


「高代を信用させるために、最低一週間は、行動を起こさなかった」


「パソコンにも触れなかったってことですか?」


「あぁ。珍しくまともに頭が働いたな」


亮さんの口元がキュッと上がった。


「真壁は、一週間、ほとんど飲まず食わずの状態を貫いたらしい。自ら罠にかかったんだから、それも承知のうえだから気にするなよ」


先に言われたから、気にしない努力はしてみたけど、無理。