空と彼と私

「知っているだろ?」

「え?」

「真壁がハッキングしてたこと知ってるだろ」

「じゃあ、それで捕まったってこと?」

「真壁が自首したのは、製薬会社とのことだけだけどね。賄賂を受け取っていた証拠と、無認可の新薬の人体実験の事実、それから、論文の盗用。これらを警察に提出した」

「…………」


「混乱した顔してるね。なんで、そんなことをしたのかって顔」


亮さんの言う通りではあるけれど、それよりも、

「私に説明なんかする必要ないのでは?」

と、首を傾げた。


「ただの道具だと思ってんだ」


時折、笑顔をみせていた亮さんの顔から、すーっと笑みが消えて、代わりに、これ以上ないくらい冷たい、今にも、背筋が凍りそうな視線。


「バカな奴は、とことんバカだな」

「……ッ」

「あんた今、俺よりもバカな学校通ってるしなんて思ってるんだろ、どーせ」