空と彼と私

龍さんの声の後ろから、心配かけていたと思われるまりあちゃんが、顔を出した。


「ごめんね」


まりあちゃんの泣きそうな顔に、今日のことが全て計画的だと気づいた。


「一先ず、出るぞ。直に、マスコミが来る。そうなる前に、出んぞ」


返事はしたものの、思うように足が動かず、へなへなと、その場にしゃがみ込んだ。


「……チッ」


龍さんの舌打ちが聞こえるけれど。


悲しいことに、動けなかった。


「ガク呼んで来る」


まりあちゃんが言うが、


「いや、亮のがいい」


と、龍さんの低い声がして、電話で呼び出している。


しばらくして、亮さんが来ると、無言で、私を担ぎあげた。


「ちょっと我慢してよ。この方法が一番早いから」


病院を抜け出してみると、野次馬の人、人、人。


「急げ」