空と彼と私

いたたまれなくなった私は、立ち上がると、征司に背を向けた。


「待てよ」


「何?」


自分でも驚くくらい低い声に、征司がフッと笑った。


馬鹿にされた。


それでもいいよ。自分から、望んでここに来たんだから。


征司の駒になれたなら、それでいい。


もう、疲れたかも。


「そんな目で俺を見るな」


「マイコさんに似ているから?」


征司は、目を大きく見開いたあと、ドアの鍵をカチャリとかけた。


「悪かったと思ってる」

「何を?」

「麻衣を巻き込んだこと」

「別にいいよ」


私が望んでしたことだ。


「もう時間がねェな、きっと。麻衣、信じねェならそれでもいいが、俺は、麻衣をマイコの代わりにしたことはねェよ。麻衣は麻衣だ」


「な……に?」