空と彼と私

神龍会の龍さんの下で働いている人。


サイレンの音が止むまで、征司が院長を放すことはなかった。


私の推測でしかないけど、逃げるのを阻止する為にだと思う。


そして、院長の携帯が鳴る。


それは、受付からで、警察が会いたいと言って来ていると伝えて来たようだ。


「院長室まで通して」


そう言った高代貴一郎。


全てが終わったと、まるでこの世の終わりのような顔。


「ここで殺されないだけでも感謝しな。あんたは、どうせキャットに狙われてんだからよ」


神龍会のその人は、院長の耳元でそう告げると、院長を掴んで出て行った。


「…………」

「…………」


私と征司の間には、微妙な距離。


言葉を発することなく、ただ同じ空間に身を置くだけ。


ただのクラスメートに、近づき難い征司に戻っただけだ。