空と彼と私

「マイコさんの死を無駄にしないで!」


「うるせェよ。気安く名前呼ぶなつってんだろ!」


征司は、蹴られて倒れこんだ院長の脇腹に足をいれて、私を睨んだ。


「ハハハ。ほら、言った通り。こいつは、お前なんかのこと、これっぽっちも思っちゃいねェじゃん。可哀相にね」


今、やられている院長に、可哀相なんて言われるほど、惨めなものない。


わかっていて、ここにいるのに、涙が出そう。


「あ、」


いち早く気づいたのは、私。


「時間だよ、高代院長。いや、元院長にすぐなるか」


徐々に大きくなるサイレンの音が、征司を喜ばせる。


ニヤリと口角が上がっていて、満足げな顔が見えた。


警察が着くよりも早くに、ドアがガンッという激しい音と共に開いた。


「証拠品は、院長室に」


征司にそう告げた男は、さっき征司が来る前にいた人。