空と彼と私

「誰だ、今、取り込み中だ!あとにしてくれ!」


シーンと静まり返った扉の向こうからは、返事が返っては来なかった。


だから、その声を聞いて黙って立ち去ったと思ったのに、再びノック音が響き渡った時、ビクッと体が跳びはねた。


「何?急用?」


それでも返事がないことに苛立ちと不審をドアにぶつけた院長は、舌打ちをしたあと、カチャとドアを開けた。


「誰、あんた?何の用だね?ここは部外者立入禁止」


未だに一言も話さないその相手に少し怯んだかと思った。


声が震えている。


「勝手に、商売おっぴろげられても困るんですよね、オッサン」


「な、何のことだね。警察呼びますよ」


「警察ねぇ。いーよ。呼んでも。オッサン、自分が不利な状況ってわかっているならね」


婦女暴行、拉致監禁。


そんな声が向こうから聞こえる。