空と彼と私

もしもが当たっていても、それなら龍さんから逃げれるかもしれない。


「ハハッ!了解。頭の悪い女……ラクでいい」


左手は、私の手を頭上で纏めたまま、右手は、太股をはい上がる。


勿論、メスを片手にしたまま。


「切りつけちゃいたいね」


そう言いながら、汚い口が、私の口を塞いだ。


逃げても無理矢理絡められる舌に吐き気を本気でもよおしてきて、気持ち悪い。


女の抱き方を知らないかのように、乱暴に欲だけを出すための行為に、痛みだけを感じて、喘ぎ声も出ない。


頭の悪い女は、頭の悪いなりにしか征司を守れない。


騙されているかもと思っても、それを試さない方法を知らない。


神龍会に動かれると厄介というのが、理解出来たのは、行為が終わった後だった。


―――コンコン


ノックされたドア。


その音を皮切りに。