空と彼と私

「バカらしくならない?今なら、黙ってもとの生活に戻れるけど」


「…………」


「へぇ、挑戦的な目。嫌いじゃないね、そういう女。取引しようか?」


睨みつけた私に、嬉しそうな院長は、再び、メスを私に突き付けた。


「どぶねずみちゃんは、この話を聞いてもなお、助けてやりたいんだよね?」


いい加減、どぶねずみって呼ぶのを止めて欲しいが、決意が変わらない私は、大きく縦に首を振った。


「じゃあ、話は、簡単。今すぐ、此処で抱かれるか、神龍会の若頭の女と手を切るか。どっちにする?」


「……で?」


「ん?何?聞こえないけど?」


「何で、まりあちゃん?」


「何で?んなのは、決まってる。今、神龍会に邪魔されたら、いろいろ厄介なんだよね」


「厄介?」


「こっちの話。で、どぶねずみちゃんは決めたの?」