空と彼と私

征司が、その彼女を深く愛していたなら、余計に。


「どぶねずみちゃん、いいこと教えてあげようか?」


「い、いりません」


「そう?残念。どぶねずみちゃんのこと思って教えてあげようと思ったのに」


「何ですか?」


「声まで震えてかわいいね。ハハッ、どぶねずみちゃんはさ、クランケとよく似ているんだよねって言ったらどうする?」


「目がですか?」


確か、そう龍さんから聞いた気がする。


「目?うん、そういえば、目も似ているか。でも、一番は、その声。それから、名前」


「な、ま、え?」


「クランケの名前、マイコ」


マイとマイコ。


目だけじゃなく、そこまでとは。


優しくしてくれたのは、やはりマイコさんの変わりだからと今になれば簡単に理解出来る。


それでも、何度も助けてくれた征司だから、助けたい。