空と彼と私

「てことは、アイツ……まじでヤクザの女!?」

「シッ。あんた殺されるよ」


窓際で見ていたバカップルで有名な二人の声が、教室に響いた。


「テメェら、どんな噂、信じてッか知らねェけど、この怪我は、世話になってるオッサンの、内輪揉めを止めた時に出来た傷。女絡みじゃねェ」


歪んだ視界の中で、倒れているシンのお腹をギュッと片足で踏ん付けてから歩いて行く征司の背中が見えた。


征司が教室から出ていくと静かだった教室がざわめき始め、いろんな声が耳に入ってきた。


「何、あれ?高梨の事、好きなわけ?」

「どういう関係よ!高梨なんか庇うなんて」


派手系な女子からの厭味な声が近くで聞こえた。


征司の行動は嬉しかったが、これは更に事態を悪化させた。


女子特有の面倒くささが目に見えてうんざりする。