空と彼と私

「あんた達とは違う海外のルートがある。賢いあんたならその意味がわかるだろ?」


院長は、ハハッと軽く笑うと、バタンとドアを閉めた。


だから、まりあちゃんがどんな顔をしたかわからないけど、ドジってごめんと心の中で、謝った。


「さて、君はどうしようか?ちょろちょろと嗅ぎ回ってくれたどぶねずみちゃん」


暗かった部屋が院長によって、パチッと電気が入り明るくなった。


眩しさで、眉根にギュッと力が入った。


今まで、朧げにしか見えていなかった院長の顔が徐々に鮮明になっていく。


「あっ!」


怖さを忘れて思わず声をあげてしまうその顔は、頭の悪い私でも覚えている顔によく似ていた。


なんで、面接の時に気づかなかったのだろう。


「へぇ。この顔思い出した?」


医者とは到底思えない低い声に、体が震えだした。