空と彼と私

「大丈夫よ」


そうは言っても、やっぱり心配だ。


セキュリティに引っ掛かることなく此処まで来れたのも、何か裏がありそう。


「よし、出よう!」


足音が過ぎ去ったのを確認してまりあちゃんがドアを開けた。


廊下は、来た時となんら変わりはなく、薄暗いまま。


「正面から出るから」


と、進んで来た方向に引き返すことなく、薄暗い廊下の曲がり角を曲がった。


「キャッ」
「おっと!」


まりあちゃんの声と、向こうから来たのは―――院長だ。


どうしているの?
この廊下以外に通り道はあった?


様々な疑問が一瞬で頭の中を横切っていく。


「こんなところで何をしている?」


低い声に変わった院長に背中がブルッと震えた。


「すいません、道に迷っていたら、こちらの看護師さんに助けてもらって」