空と彼と私

「くれぐれも音だけはたてないでね」


まりあちゃんには慣れているかもしれないが、私には、息一つすら危険に思えて、まともに呼吸すら出来ないでいた。


ここに潜り込むのが、何の意味があるのかさえわからないうえ、到底隠れられる場所さえ無く、やみくもに行ったり来たりを繰り返した。


「ねぇ、まりあちゃん。ここには、何で?」


「うん、ちょっとね。もうそろそろいいかな」


まりあちゃんの意図するところがわからないまま、扉に手をかけようとして、近づいてくる足音でその手を止めた。


「ちょっと、それどういうこと?」


「知らないわよ。勝手なんだから」


「とにかく急がないと院長にあとで怒られる」


え?院長?


リツさんとエッチしてなかった?


確かに時間的にはおかしくないけど、


「まりあちゃん、何かおかしい気がしない?」