空と彼と私

まりあちゃんは、建物の中を把握しているようで、私の腕を引っ張って歩いていく。


着いた先は、院長室と隣り合わせ部屋。


そこが、院長の書斎のようになっていることは、入ってすぐに気がついた。


慣れた手つきで、盗聴器らしきものを取り出してセッティングしている。


その横でオロオロと見ているだけの情けない私は、そっと院長室側の壁に耳を当てた。


「……ンッ」


一瞬、くぐもった声が聞こえ、まさか!?と、目を丸くしながら聞き耳をたてた。


間違いない。


こんな風に聞こえる声は、エッチしている時のみ。


AVってこともあるかもしれないけど、“院長”と聞こえた気がする。


「まりあちゃん!院長室、エッチしてる」


小声で、隣室に聞こえないように呼ぶと、ボッと火がついたように真っ赤な顔が目に入った。