空と彼と私

立ち上がり会釈をするが、息を飲むような空気感に暴れだした心臓が負けそうになる。


「履歴書見せてくれる?」


高級そうな本革のチェアーに座り眼鏡を取り出した高代貴一郎に履歴書を手渡した。


沈黙の時間が長くて、自分の手を握りしめていた。


「志望動機は、ここに書かれていることで間違いない?」

「はい」

「じゃあ、いいよ」

「えっと?」

「採用してやるって言ってる」

「あ、ありがとうございます」


『志望動機:社会勉強』


たった四文字しか書いていないのに、目を細めて納得したように笑う高代貴一郎によって、私は、晴れて採用された。


「毎日出来るだけきて。学校や友達との用事で来れない時は、前日までに連絡。通常は、女の子なので、8時までね」


そんなんでいいの?


と、こちらが心配する程のアバウト。