空と彼と私

「アイツを助けるも助けないのもお前次第。話を聞いて気が変わらないならやれ!」


まりあちゃんには悪いけど、今の大貴さんは、恐ろしい龍そのものだ。言葉に怒気を孕みとても大貴さんとは呼べない。心の中ですら、いつの間にか龍さんに戻ってしまっていた。


その恐ろしい雰囲気のなか、何故そんな話をしようとするのかバカな私でもわかるように、そう言った。


その上でもう一度、

「知りてェか?」

と私に選択肢を与えてきた。


聞かないことには、助けにいけない。


そう思った私は、頷いた。


「アイツがハッカーになったのも、今回の件も、全て一人の女のためだ」


頭を鈍器で殴られたような衝撃。


グワングワンと脳が揺れる。


聞きたいけど、聞きたくない。


聞いたら立ち直れないかも。


そう思いながらも、龍さんの話に耳を傾けた。


「アイツが中1の時の話だ。好きな女が、不治の病で、余命いくばくも無いと診断された。あー、いや違うか。正確には、日本では手術が難しく、海外で移植をしてもらうしか道がなかった」