空と彼と私

「麻衣。こっから先のことは、まりあは知らねェ」


「はい。言いません」


先程の征司を信じろと言った言葉から、多分、内緒だと理解した私は、前を見たまま一度も私を見ない大貴さんにそう答えた。


「しばらくかかる。寝ておけ!」


そう言われても、大貴さんを隣りにして寝れるほど、神経は、図太くない。


大貴さんをチラッとのぞき見してみれば、寝ているのかいないのか、瞳を閉じていた。


レアだなこれはと思ったことは、まりあちゃんにも言えないな、きっと。


どれぐらいか緊張していてわからないが、

「もうすぐだ」

大貴さんが、いきなり言う。


車は、ゆっくりと減速して、木々の生い茂る木陰へと滑り込んだ。


向かいの通りから死角になるらしいことは、運転手と大貴さんの会話から理解出来た。


「今からアイツがいる屋敷の前を通る」


―――ドックン


一際、心臓が大きく跳ねた。