空と彼と私

「へぇ、その顔じゃ、全く知らないってわけじゃなさそうじゃねェか」


動揺丸出しの情けない顔を見て、またケラケラと笑われた。


「ネエちゃんを姐さんに会わせるのに、幾ら若からお金が流れてるか知ってるか?」


「……っ!」


「若の仕事から手を引くくらいの金が流れてんだよ!」


「ネエちゃんじゃ、一生体を売ったって稼げないくらいの額がね」


「じゃなきゃ、あのガキがネエちゃんなんか相手にするわけねェんだって!」


もうその先は何を言われているのかすらわからなくて、気がついたら家の前に立っていた。


征司にとっては、私もただの道具?


信じたくないが、私みたいな平凡な女を征司が肩入れするわけがないのは、自分でもなんとなく感じている。


クラブにだって、もっと綺麗で色気のある人が沢山いて、征司のことを狙っていた。