空と彼と私

笑いながら喋っていても、そこは裏の世界の人で、パタッと笑うのをやめると、今度は、ドスの利いた声で、私に牽制をする。


「そうやで、ネエちゃん。知らない方が身のため」


それでも、知りたい。私の知らない征司を。


「知ってどうする?」


「え?」


「顔に出てる」


そういう事なら素直に伝えてみてもいいと思う。


「興味本位じゃありません。征司が一生懸命にやってきたことが何なのか、何が、今の征司の温かさを作り上げたのか、知りたいのです」


「…………」


「温かいねェ。そりゃ、とんだ幻想だな」


「本当のあいつは、若よりも冷たいな。それを知らないあんたは、ただのめでたいヤツ」


ハハハハと、馬鹿にした笑いが車内を包む。


「真壁のガキにとって、女は道具だって知らねェだろ?」