空と彼と私

何の気休めにもならない。


バイクだって駐車場に置いてあるから、そのついでなわけだし。


大貴さんに返してもらうなんて言っておいて、キュンとしたのに、一人で帰るなんて、滑稽過ぎる。


時間は、残酷だ。


「行くぞ、時間がねェ」


チラッと時間を確認した征司は、エレベーターに乗り込み地下駐車場までのボタンを連打しまくった。


「麻衣」


「ん?」


「楽しかったか?」


「うん。まりあちゃん、いい子だった」


「俺は、認めねェけどな?」


「え?」


「何でもねェ。お前が嬉しそうでよかった」


「うん」


「麻衣」


「ん?」


その続きの会話は到着音に邪魔され、することが出来なかった。


急に開いたドアの前に、お待ちかねの強面の方々が、私をガードするように車へ誘導していった。