空と彼と私

やはり見慣れない、なんとも言えないゴージャスな玄関で、すでに壁によっ掛かり待っていた征司は、私が来ると、

「帰りは、車を出してもらうから、寒くねェぞ。よかったな」

と伝えてくる。


「え?征司も一緒じゃないの?」


いきなり怖いお兄さん方と密室の車内に閉じ込められて、帰れるほど、図太い神経を持ち合わせていない。


「俺は、バイクがあんだろうが」


「でも……」


「捨てられた犬みてェな顔してんじゃねェよ」


「え?」


「悪ぃが一緒には無理だ。仕事があんだよ」


「うん」


きっと、大貴さんに頼まれた仕事だろう。


断るわけにいかないし、どう足掻いても一人で乗って帰らなきゃいけないのは、征司の顔を見ただけでわかった。


「駐車場までは送ってやる」