空と彼と私

フワリと包み込まれ、見えるものが遮断される。


「無理しなくていい。俺の為にとか考えてんだろ?」


半分図星だけど、半分違う。


ヤクザが恐くないと言ったら嘘だ。


だけど、この震えの本当の理由は……。


「恐いよ。でも、そっちの世界が恐いんじゃない。危険なところにいる征司が、怪我したり死んだりしないか心配で、恐い」


言うつもりなかった。征司のこと思ってますって、恩着せがましいから。


でも、このまま消えちゃいそうで、恐くて言わずにいられなかった。


もっと、自分を大切にして欲しいから。


「お前……」


それっきり黙り込む征司だったけど、包まれた腕に力がこもった。


「ハハッ。嬢ちゃん、大丈夫だ。コイツの仕事は―――」


「松さん!」