空と彼と私

「お待ちしておりやした」


ひいっ!!と声をあげそうになるのを、口を押さえて慌てて飲み込んだ。


腰を深く折り、それから顔をあげた彼は、顔の右半分に傷があって、それが恐さを増長させた。


「恐がらせてどうすんだよ」

「やしたはねェよな。普通にましたって言えねェのか」

「ギャハハ」


馬鹿笑いする声と文句のようなクダリを言う人達の声が響き渡り、それが嫌でも私をドキドキと緊張感でいっぱいにしていく。


だから、そこにやって来た征司が救世主のような、ヒーローのような眩しい存在に思えた。


「麻衣、こいつら多分お前をこれから護衛していく奴らだ。顔くらい覚えておくといい」


征司がそう言うと、

「相変わらず生意気なガキだ」

と征司を睨む面々。


それを気にも留めないで、私をエレベーターに誘導した征司がやっぱりかっこよく見える。