空と彼と私

そんな私の声が聞こえているはずなのに、まるっきり無視で、スマホを耳にあてた征司は、

「場所移動しねェと連れていけねェ」

と話し始め、何やら相槌をうちながら会話している。


その間、歩くスピードもどんどん速くなるからついていくだけで、息が上がる。


スマホをしまい振り返った征司が、ようやくそんな私に気づいた。


「悪い。行き先変更」


もうすぐげた箱なんだけど……というところで、方向転換。


当然、靴に履きかえるなんてことさせてもらえずに、上履きのまま、征司のバイクに乗せられた。


これはこれで目立つのだが、学校中の視線が、龍さんの車に釘付けの今、裏から抜け出すバイクに誰も注目などしていない。


いい加減バイクは止めようよ。寒い。寒過ぎる。


なんてことは、言えない。