空と彼と私

それが嫌だと思う気持ちよりも、龍さんの彼女に会う楽しみのが勝っているのだから、あとは、成り行きに任せるしかないと腹を括って、その時を待っていた。


何故何時に終わるのか知っているのか、何処で待てばいいのだろうか、どんな車なんだろうとか、それは、授業中ずっと頭を占領していた。


それが無駄だったと気づいたのは、放課後すぐのこと。


窓際の誰かが、

「あっ!龍さんの車じゃね?あれ!」

と、指をさす姿と大声が聞こえたと同時に、肩を叩かれた。


「行くぞ!」


振り返らなくても声でわかる、愛しい人。


今日一日で、はじめて教室に現れた彼、征司は、私に声をかけると、すぐさま教室を後にした。


「待って!」


龍さんを待たせすぎるのがいけないことはわかっているが、なにぶんコンパスが違う。


征司が早足で歩けば、私は走るしかない。