空と彼と私

「ニヤついてないし」

「今さら、嘘つくなって!」


こんな征司知らなかった。


からかいながら、楽しそうで。


纏う空気が、柔らかくて温かくて。


あまり見せたことのない顔を向ける征司に、キュンとして、違う意味でまた顔が熱を帯びた。


そんな征司とのやり取りから、五日。


連絡が来た。


それも、龍さんから。


「麻衣、今日、学校終わったら暇?」

「はい」

「じゃ、迎えに行くから」


返事を聞かずに切れた。


迎え?


学校に?


ここには、ヤンキーが多々いる。


その皆の憧れの一人が、龍さんだというのに、その本人が此処に来たら学校中が軽くパニクるだろうに。


想像しただけで、ゾッとした。


少し前までは、目立たなかったはずなのに。