空と彼と私

傷痕を慈しむような征司を、ただじっと見つめていた。


「素敵な話。でも、ちょっと悔しいかもな」


私が女でも、征司に同じように思って欲しい。


そんなことを望むのは、我が儘なんだろうけど、龍さんに嫉妬してしまう。


「麻衣」

「ん?」

「麻衣は違う意味でまた特別」

「…………」


“特別”が魔法の言葉みたい。


いい意味で特別なんだと勝手に解釈して、羽がはえたかのようにフワフワと気持ちがして、頬が自然に緩んでしまう。


本当は、含みを持たせる征司の言い方がずるいのに。


浮かれた私を見られるのが恥ずかしくて、咄嗟に顔を俯かせたけど、遅かった。


「ニヤついてんな」

「…………」


全身の穴という穴から、火が噴き出しそうなほど恥ずかしい。