空と彼と私

いつの間にか、隣に立っていて、見上げると、首からタオルをかけていた征司が、頭をゴシゴシと拭いていた。


そのちょうど目線の高さに、目を背けたくなるような体に刻まれたキズ。


心臓の少ししたから、脇腹にかけて。


よく見ると、他にも細かい古傷のようなものが目に入った。


じっくり見ていたわけではないけれど、視線の行く先に征司は気づいたようで、

「あ……」

と言ったあと、悪いと謝ってきた。


「悪いのは私。ごめんね」


見ていけないものを見てしまったような罪悪感から、口を紡いで出た言葉は、謝罪する言葉。


「有名な話だったけど、知らなかったんだな」


クスッと鼻で笑い、シャツを着たことでキズは隠された。


「これの時、偶然助けてくれたのが、神崎の若頭」


征司の眼が冷たくて、背筋がゾクリとした。