空と彼と私

「何かあった時に連絡とれないと不便だろ?」


「いいの?」


「麻衣には、仕事のことも話してあるしな」


「いや、何も知らないけど」


征司にとっては、仕事のことすら内緒なんだろうけど。


いつかの女の子は、仕事させていても番号を教えていなかったことを考えると、すごく喜ぶところなのだろうけど。


一線をひかれたままなのは、忘れてはいけない。


このマンションに来たけれど、龍さんが絡んでいたからだけで、私に対しての気持ちが少しでもあるなんて、期待しちゃ駄目。


「使うことはないと思うけど、念のため頂いておくね」


手ぶらで来たからしまう鞄もポケットもないので、テーブルの上に裏返して置いた。


「ソレ」


「ん?」


「そういう細かいところに気が利く麻衣ってすげェと思う」