空と彼と私

黙々と食べ進めていて、そろそろ食べ終わるという頃、征司が徐に、視線をあげ、話し始めた。


「麻衣」

「ん?何」

「嫌じゃねェか?」

「うん。友達増えるのは、嬉しいことだよ。それに、あの龍さんが選んだ人なら、城下のつまらない子たちより、信用できる」


たっぷりと時間をかけて、見つめられた視線に答えると、

「それもそうだな」

と軽く口角をあげ、頷かれた。


「何かあったら連絡しろ」


差し出されたのは、一枚の名刺。


「これ……」


携帯番号がかかれてはいるけれど、社名が入った仕事用だ。


『シークレットカンパニー』


そのネーミングセンスはこの際無視をしたとして、住所も征司の名前も書いていない。


名刺は家族のものしか見たことがないが、怪しいと私でも感じる。