空と彼と私

ラウンジに着くと、ちらほらと視線を感じるのは、気のせいだと思いたい。


場違いだから、見られていることに、征司は気づいていないのか、すごく堂々としていて、それはカッコイイけど。


「征司。やっぱり私、帰ります」


そう言わないといたたまれない。


「何で?食いてェもんねェの?」

「いや。場違い?……ぽいし」


徐々に、声が小さくなってしまう。


「ふーん。そんな麻衣は、魅力半減だけどな。俺に、ハンカチ押し付けたお前、かっこよかったのに」


ハンカチじゃなくてタオルだし。


かっこいいって言われても、好きな人には、かわいいと言われたいのに。


「あれは、たまたま……」

「いいから、食うぞ」


有無を言わせない征司に押し切られて、結局、私は、ラウンジで、英国式朝食をいただいた。