空と彼と私

「ラウンジ?」

「あぁ。ここの住人とゲストだけのな」


頭をポンポンとして、私を落ち着かせると、再び、玄関に向かう為に、手を引っ張って行かれた。


どんな高級マンションなんだと呆れつつも、それならすっぴんにしても大丈夫かと思った私は、乙女心を、目やにと一緒に捨ててしまったに違いない。


「此処には、知り合いはいねェから堂々としてろ」

「うん」


私がビクビクしているのは、征司と二人でいるからでも、それを見られるのを懸念しているからではなくて。


この高級感に、私が不釣り合い過ぎるからなのだが……。


勘違いしたらしい征司は、私の腕を自分の腕に絡めてしまった。


エスコートするかのようなスマートなしぐさではあるけれど、見られていないからと、これは、OKなんだろうか?


どんなつもりでなんだろうか?