空と彼と私

征司の一言で、やはり錯覚だと認識させられた上に、乙女心まで、ずたずたにされるなんて。


そもそも、好きな男に、目やにを指摘されるなんて恥ずかし過ぎる。


焦って右目の目頭を擦った。


「逆。こっち」


スッと、征司の長い指が、左の目頭に伸びた。


反射的に、ギュッと目を閉じると、

「ほら。取れた」

と言う声と一緒に、おでこを息が掠めていった。


閉じていた目を開けると、満足そうに、人差し指を見せてくる。


そして、またもや、錯覚かと思う笑い顔が目に入った。


「ハハ。麻衣、かわいいな。寝起きにおっきな目やにって、子供みてェ」


錯覚じゃない。


何がツボったのか、肩を揺らして笑っていた征司。


それがおかしくて、暫く二人で笑い続けた。