空と彼と私

テレビをつけてみたものの、視覚も聴覚も、機能をなさなくて、ただ流れていった。


帰る時に声をかけろと言われても、タイミングがつかめない。


そんなにアルコールの臭いがするとも思えない。


いっそ、無断で帰ろうか?


だめ。征司は優しいから心配かけてしまう。


ぐだぐだと考えているうちに、疲れていたんだと思う。


すっかり寝入ってしまっていたらしい。


温かくて気持ちのいい上質な布団と、少しのタバコとムスクの混ざった心地好いニオイ。


それに気づいて目が覚めたのは、もう、朝だった。


征司が隣りで寝ていた形跡はない……と思う。


カーテン、ベッド、デスク、チェスト、パソコンなど、すべてのものが、ブラックで統一された室内。


征司らしいその統一感を見ていくうちに、焦ってくる。