空と彼と私

ぶんぶんと腕を振って、振りほどこうとするけれど、征司の力に敵うわけがない。


そんな私にイラッとした征司が小さく舌打ちをして、再度、腕をぐいっと引っ張れば、私は、簡単に征司の胸にダイブした。


「ちゃんと聞け」


耳元にかかる息で、全身が熱くなる。


「麻衣は、俺のただの性欲処理になりたいの?」


それでもいいかと頭の中を横切っていく。


「言っただろ?美紀やあの女には、金払っている」


「でも……征司は、気づいているじゃん。皆、征司が好きだって――」


征司の腕に力が加わり、顔が、胸に押し付けられたら、苦しくて、何も言えなくなった。


「あいつらの好きは、表面上の俺。顔だったり、喧嘩の強さだったり、セックスがよかったり」


セ、セ、セ……セックス。


露骨過ぎるその言葉に、顔を胸からあげることが出来ず、擦り寄せてしまった。