空と彼と私

「麻衣も、あいつの女と仲良くなれば、呼び捨てくらい出来んだろ」

「…………」

「なに難しい顔してんだよ!まさか、あいつって呼びてェのか?」


呼び捨てとか意味がわからなかったけど……。


そうか。そういうことか……。


「征司。違う」

「あ?」

「私が羨ましいのは、龍さん」

「…………は?」

「征司に、あいつって言われて羨ましい」

「…………」

「…………って、何言ってんだろ?」


わけわからなくなって、手にしていた飲みかけのミルクティーを一気に飲み干した。


こんなの、軽い告白みたいじゃん。


「麻衣」


ミルクティーなのに、お酒を口にしたかのように、真っ赤であろう顔。


そんな顔を、艶っぽい声で呼ばれてあげれるわけがない。


もう、空っぽなのに、まだ残っているかのように、缶に口をつけ傾けた。